挙げ録の開発記録|入力は2つ、保存できた分だけ積み上がる設計
重さと回数だけの入力を、正確な保存と気持ちのよい反応につなぐには。挙げ録の入力設計、日別・期間別の集計、保存成功後の演出、通信の再送と小数の扱いを実装に沿って紹介します。
CONTENTSこの記事の目次8項目
「重さと回数だけで記録する」を形にしたのが、挙げ録です。入力欄は2つですが、その先には、計算した量を正しく残し、保存できたことを画面で伝える仕組みが必要でした。 この記事では、入力を絞った設計と、その小さな画面を支える集計・保存・演出のつながりを紹介します。利用者の継続率や筋トレの効果を測った記事ではなく、実際の設計と実装の記録です。
種目を選ぶ前に、2つの数値で記録を残す
挙げ録で意識したことは「継続のしやすさ」と「目にみえる達成感」です。 継続しやすいように、通常の入力は器具の重さと回数に絞り、種目名やメモの入力を求めない形にしました。 そして、何kgあげれたかが目に見えるので、それがモチベーションに繋がりやすい。そんなアプリケーションを目指しました。 その代わり、種目別の履歴やセットごとの分析には向きません。残せる情報を増やすほど詳しく振り返れますが、入力する項目も増えます。 挙げ録では「何を何セット行ったか」よりも、「入力した重さと回数を日々の総重量として残す」ことを選んでいます。 重さの意味もそろえました。左右で器具を持つ場合は、左右の合計を入力します。片側の重さをアプリが推測して2倍にすると、合計を入力した人の記録まで倍になってしまうため、画面に入力ルールを明示しています。
保存前の計算と、保存後の合計を分ける
入力欄の下には「今回の積み上げ」を表示します。10kgと10回を入力すれば100kg。ここは保存前に計算を確認する場所です。 一方、大きな数字は選択した日に保存されている記録の合計です。入力プレビューが100kgになっただけでは、その日の合計を増やしません。入力している量と、残った記録を画面上で区別しています。
数字とダンベルは、保存できた後に動く
追加ボタンを押すと、まず保存処理が走ります。成功の応答を受け取ってから記録と合計を更新し、数字のカウントとダンベルの短い演出を始めます。演出は約1秒です。 見た目だけ先に合計を増やすと、通信に失敗したときにも記録が残ったように見えてしまいます。そこで挙げ録では、追加時の反応を保存成功の後に置きました。編集・削除は合計を更新しますが、追加を祝う演出は再生しません。 動きを減らす端末設定では、カウントのアニメーションや装飾の動きを省きます。画面読み上げには、追加量とその日の合計を文章で知らせます。動きだけを保存完了の手掛かりにしない構成です。
返事が来なかったとき、二重に足さない
通信結果が分からない場合、サーバー側では既に保存が済んでいる可能性があります。単にもう一度追加すると、同じ記録が2件になりかねません。 挙げ録では追加操作ごとに識別子を付け、結果が不明な間は同じ識別子と入力内容を保ちます。画面には「同じ記録を再送」と「最新の記録を確認」を用意しました。再送された処理はサーバーでも照合し、同じ追加操作をもう一度登録しないようにしています。 これは「同じ10kg×10回は一度しか登録できない」という意味ではありません。保存後に改めて追加した記録は、別の操作として残せます。再送による重複と、実際にもう一度行った分の記録を区別するための仕組みです。
足した数字を、日・月・年で同じように見る
日ごとの合計はカレンダーに表示し、これまで・今月・今年の合計を別の小さなカードで見せます。カレンダーを過去の月へ移動した場合、「この月の合計」は表示中の月、「今月」のカードは現在の月を表します。 累計だけを別に足し続けるのではなく、保存されている記録の「重さ×回数」を集計します。そのため、過去の記録を編集・削除した場合も、元の記録に沿って日別や期間別の合計を更新できます。 日付は日本時間を基準にしています。年末の深夜などでも、サーバーと画面が別の日を今日として扱わないようにするためです。
t(トン)表示に変えても、小数の記録を失わない
重さの入力と保存はkgが基準です。サーバーは十進数型で扱い、画面の計算では0.01kg単位の整数にしてから掛け算や足し算を行います。小数の計算で端数が積み重ならないようにするためです。 表示だけは、1,000kgを超えたらtへ切り替えます。ちょうど1,000kgはkgのまま、1,500kgは1.5t。1,000.01kgなら1.00001tと表示し、0.01kgの違いを丸めて消さないようにしています。 単位を変えた大きな数字も、意味は入力した重量と回数の合計です。筋力・消費カロリー・健康効果を表す指標にはしていません。
本人の記録を、必要な範囲で残す
記録本体は本人専用としてデータベースに保存します。Cookieは認証に使い、運動の記録そのものをCookieやlocalStorageへ保存する構成にはしていません。共有やランキングは設けず、記録ページは広告・外部解析の対象から外しています。 1件ずつの編集・削除に加え、全件削除と退会による削除に対応します。挙げ録の最終利用から2年間利用がなければ、記録を削除します。保存し続けるだけでなく、本人が消せることと、使われなくなった記録の扱いも一緒に決めています。
入力の少なさを、確かな記録につなげる
挙げ録の画面で主役になるのは2つの入力と合計です。その裏側では、保存の成否、再送、小数、日付の境目をそれぞれ扱っています。 入力を絞ることと、保存処理を省くことは別です。少ない操作で残した一件を、あとから同じ数字として振り返れること。その上に、保存できた分だけダンベルが反応する小さな楽しさを重ねています。
READ MORE挙げ録を開く重さと回数を入力し、日々の記録を残せます。→設計・実装の確認日:2026年9月22日。計算例は説明用です。入力画面の計算処理、保存成功時の表示更新、記録の集計・再送照合を根拠にまとめました。機能や表示は今後変更される場合があります。